東野圭吾「使命と魂のリミット」を読んだ。

(※ネタバレあり)


感想は・・・まあまあ。いまいちに近い、まあまあ。
「秘密」や「白夜行」、「容疑者X」にも遠く及ばないような・・・。


犯人の動機が弱いと思った。
物語の中で、犯人に同情の余地ありとされているのがどうも解せない。
従ってこの小説の読者の共感も得られないのではないか?
そういうところから物語のリアリティって崩れていくと思うのだが・・・。
犯行の方法もな・・・まどろっこし過ぎるような・・・。
何でこういう方法を選んだのか、説得力がない。
ただ話を引っ張るために回りくどい方法を選んだだけじゃなかろうか。


読後感は良い。すっきり終わる。
でもそれが私の個人的な興味を削ぐ・・・。
読み終わったあと、なんか割り切れないものが残るのが
東野圭吾の小説の好きなところなんだけど。
いやそれは彼の小説の一面にしか過ぎないんだろうけど、
私はそれを求めてしまう。
まあこういう風にうまくまとめる方が難しいのかもしんないけどさ。


何だか煮え切らない感じが残る・・・。


この物語を貫くものとして「使命」というのがあって、
誰にも持って生まれた使命というものがあり、
それを果たすことこそ人生の意義である、というような・・・。
使命・・・うーむそれも結局は自分で選択するものだと思いますけどね。
使命などというものはない、と言えばそれも正しい気がするし。
っていうか私はそんな天から与えられた使命など無いという立場寄りですけど。
ただそういう生き方には憧れるんだよな・・・。