ベルンハルト・シュリンク「朗読者」を読んだ。
以前話題になった本ですね。
15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」―ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。人知れず逢瀬を重ねる二人。だが、ハンナは突然失踪してしまう。彼女の隠していた秘密とは何か。二人の愛に、終わったはずの戦争が影を落していた。現代ドイツ文学の旗手による、世界中を感動させた大ベストセラー。
いろいろ考えさせられた・・・。
読後に重たい余韻が残る話でした。
ハンナ(相手の女性)の最後の決断がね・・・。
この二人は実質1年も付き合っていないんですが、
その出会いがそれぞれの人生を決定的に変えてしまったわけで。
むしろ出会わない方がよかったんじゃないかと。
当人たちはそう思ってないかもしれないが・・・。
主人公の目線で物語は進み、ハンナのことは断片的にしか語られないので、
いろいろな解釈が可能だし、いろいろ考えさせられます。
そんなに入り組んでるわけじゃないのに、すごく奥行きのある話だと思いました。
ハンナがいなくなって、
主人公が失ってしまった感情を取り戻していく過程とも言えますね。
そこで時間が止まってしまっているかのような。
俺の感情はどうしたら取り戻せるんだろうな・・・。