泡坂妻夫「しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術」を読んだ。

以前、ネットで評判になっていた小説。

二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体“惟霊講会”。超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギガンジーは、布教のための小冊子「しあわせの書」に出会った。41字詰15行組みの何の変哲もない文庫サイズのその本には、実はある者の怪しげな企みが隠されていたのだ―。マジシャンでもある著者が、この文庫本で試みた驚くべき企てを、どうか未読の方には明かさないでください。


んーあんまり面白くなかったな・・・。
読みやすくはありますが、あまり胸に引っかかる感じがない。
何というか、全体にコミカルタッチ、軽い感じなんですよね。
それがどうも私の嗜好に合わなかったみたい。
もっと深刻で憂鬱なものの方が・・・。


で、この本に隠された「驚くべき企て」ですが、
これは素直にすごいなと思いました。
「こういうのだろう」と見当は付いていたけど、最後まで見抜けなかったし。
まあ、すごいと一瞬思ったあと、「で?」みたいな気分になってしまったけどね。
マジックのタネがわかったときに
「なーんだそういうことか」という気分になるのと同じか。
この小説を書くのに泡坂氏は苦労しただろうな・・・。それには敬意を表したい。

泡坂妻夫 [しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術]

asin:4101445036